代官山ってどんな街?
代官山ってどんな街?
日本で初めて国際オーガニック認証を受けたオーガニック寝具を製造・販売している株式会社ハートの代表取締役・山岡さん、営業担当・竹村さんにお話をおうかがいする本企画。
前回は、「オーガニックとは何か」また、ハートがオーガニック製品を製造するに至った経緯などを教えていただきました。
今回は、「本物のオーガニック製品」を製造するハートが、blossom39オリジナルブランドkodouとコラボして開発・製造したベビー布団を中心にお話をお聞きします。
ーーーそもそも、今回なぜハート様にインタビューをさせていただけるに至ったかというと、blossom39オリジナルブランドであるkodouとコラボ商品を開発・製造くださったからでした。「赤ちゃんが一日のほとんどを過ごす場所だから、安全で快適なものを選んであげたい」という気持ちから、生地から詰め物まで、完全オーガニックの日本製のベビー布団セットのコラボ商品が生まれたそうです。こちらのベビー布団セットへのこだわりなどはありますか?
山岡さん:その点から申しますと、実は、ベビー布団だからといって特別にこだわったことはありません。というのも、ハートではすべての製品において安全で安心できるものとしてこだわりぬいて作っているので、大人用もベビー用も同じようにハートのこだわりが詰まった本物のオーガニック製品として製造しているからです。
ーーーベビー寝具だからといって特別なものではないとおっしゃっていましたが、育児をする側としては、こちらの寝具はすべて家庭で丸洗いできるのが嬉しいですよね。特に赤ちゃん用は吐き戻しやよだれなどですぐに寝具が汚れてしまうので。
竹村さん:はい。丸洗いが可能なことに加え、ハートの寝具はとても丈夫に出来ているので、たくさん洗ってもそう簡単にへたれません。寝具の寿命は一般的に3〜5年ほどとされていますが、ハートの寝具をお使いの方に聞くと10年どころか20年以上お使いとの声も。特にベビー寝具については、ありがたいことに、2世代にわたって使用してくれている話も聞きます。
ーーーまた、防ダニ生地というのもベビー寝具として魅力のひとつだと思います。こちらのお布団では天然防ダニ生地というものが使われているそうですが、どのようなものなのでしょうか?
竹村さん:天然防ダニ生地というのは、防虫剤などの薬品による防ダニ効果を持つ生地ではなく、ダニが通れないほど目の詰まった生地のことです。掛ふとん、敷ふとん、敷フィットシーツに使用しています。掛カバーは赤ちゃんのお顔などに触れるため柔らかさを重視し、使用していません。
ーーーベビー寝具にとってダニはとても気になります。薬品を使用していないとなればさらに安心ですね。
竹村さん:洗っていくうちに目が緩んですぐにダメになるのでは、と聞かれることもありますが、むしろ洗うほど目が詰まっていくように出来ており、基本的に防ダニ効果が薄れることはないので安心してお使いいただきたいです。50回洗ってもダニの通過ゼロの証明もとれています。
ーーー丸洗いが可能とのことですが、家庭でのお手入れで気をつけると良いことはありますか? 製造過程でも化学薬品が付着しないように配慮されている製品ではありながら、家庭での使用やお手入れなどで化学薬品が付着する可能性もあると思います。こういった洗剤がおすすめ、などありましたら教えていただきたいです。
竹村さん:全てを防ぐとなると難しいですよね。最近は植物性の洗剤も手に入りやすくなっています。そういったものを選んでお使いになられたら良いのではないかな、と思います。
山岡さん:漂白剤も塩素系ですと「まぜるな危険」と書いてありますよね。つまり、何かと反応すると人体に有害だということ。その分、汚れはきれいになります。実際には「きれいになったように見える」わけですが……。漂白剤を使うのであれば、酸素系をおすすめしたいです。
ーーー洗ってもへたれない、というお話がありました。blossom39のスタッフも「一番上の子が生まれた時からハートのベビーピローを愛用しているけれど、何度洗ってもへたれない、いつまでもふかふか」だと言っています。
竹村さん:ベビー寝具に関しては、保育園・幼稚園のお昼寝布団としてご使用される方も多いです。そうすると長くて6年間毎日使用し、毎週洗濯することになります。先ほども2世代にわたって使用してくださっているという話もありましたが、それだけヘビーユーズしたとしても、へたれたり、生地がダメになってしまうことはほとんどないと言って良いと思います。
ーーー正直なところ、こちらのコラボ商品であるベビー寝具セット、お安くはないですよね。でもそれだけ長く、しかも快適に使用できるとすると結果的にコスパはかなり良いと感じました。
竹村さん:そう思います。それに健康を害する心配も少ない、ひとつのものを長く使うことで環境への負荷も減る、という点でも優れていると思います。
ーーー環境負荷低減というのは、SDGsなどが注目される昨今ではより重要なポイントですね。
山岡さん:ハートは「人を含めた生態環境を守る」ことを念頭にものづくりをしています。また、ハートが取得している国際オーガニック認証GOTSの基準には「使用電力の削減、水質環境に考慮した排水など、環境への影響を最大限に配慮し、製造を行わなければならない」など環境配慮に関する項目が明記されています。
ーーーGOTSでは環境負荷低減に関する内容のほか、労働者環境に関する内容など、SDGsを考える上で大事な内容が数多くあるようでした。
山岡さん:コットンなどの生産地は発展途上国であることが多く、日本の労働基準法のような労働者を守る法律がまだ整備されていないこともあります。児童労働や長時間労働、農薬などでの健康被害を受けながらも労働をし続けなければいけない環境など、労働者にとって深刻な問題がたくさんあります。”オーガニック”はそういった過酷な労働環境から労働者を守る意義もあります。
竹村さん:労働環境というと、ハートの働き手はほとんどが女性です。女性は結婚、妊娠・出産、介護などいろいろなタイミングで働くことが難しくなりがちです。ハートではそういった女性たちの状況を理解し、互いに支え合いながら、働きやすい労働環境をつくっています。結果的に、子育てや介護の経験・知識が、より安心・安全で、より快適な寝具作りに活かされています。
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オーガニックとは何か、という基本的なことから丁寧にお話いただき、とても勉強になりました。また、ハートがオーガニック製品を製造するに至った経緯、オーガニック製品をつくりつづける信念に感動……!
そして、オーガニック製品が使用者個人だけの豊かさだけでなく生産者や環境の保護という観点においても有用である、という広い視野も学ばせていただきました。
ベビー・キッズ用品を選ぶとき、使い勝手やお値段などいろいろな基準がありますが、今回のお話のように、大人に比べてまだ未熟な体を持つ子どもにとって本当に安全で安心なもの、ひいては子どもたちが育つ環境がより良くなるもの、を選んであげたいと思いました。
ハートの山岡さん、竹村さん、このたびは貴重なお話をありがとうございました! これからも、気になるブランドやメーカーさんに、直接インタビューしていきたいと思います!
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取材協力 株式会社ハート https://www.heart-kochi.jp/